2012

11.17

読んだ本

「ふちなしのかがみ」辻村深月
短編集。よく書いてる感動路線とは違ってちょっとどろっとした暗いミステリ(というかホラー)です。読んでいるうちに真相がわかってくるんだけど、ラストははっきり説明せずに終わるという(理解はできる)。ラストの作品は児童文学にもありそうな雰囲気で良かったです。
恩田陸さんが好きなら、ちょっと雰囲気似てるので楽しめる作品かも。人間のちょっと嫌な部分とか人間関係の摩擦とか書いてるんだけど、辻村さんらしいのは中学生前後の子供をメインに書くところかな。女の子グループの仲間はずれとか書くのが上手い人です…
ふちなしのかがみふちなしのかがみ
(2009/07/01)
辻村 深月

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「あるキング」伊坂幸太郎
伊坂さんの作品は、初期のユーモアにあふれたドタバタが好きなので、最近の作品は難解でよくわからない。この作品もすっきり面白いわかりやすい話ではなく、独特の言葉回しがあるとはいえどちらかというと陰鬱な話だ。ファンにとっても評価が分かれる作品かと思う。
ある野球少年の数奇な運命とその一生を、マクベスを下敷きにして描いた話。マクベスは読んだことないですが、北村薫さんのシリーズにも見られたように、よく引用のされる作品ではあると思う。全編にマクベスのエッセンスを散りばめてることもあって、いわゆる文学的な作品なのであろう。
主人公の王求は不条理なほど天才的な才能を持っていて、さらに内面も泰然としている、非常に人間離れした非現実的なキャラクター。つまり、周囲の人間にとってはあまりに異質な存在だ。なんとなく、人間社会というのは異物を排除せずにはいられないシステムになっているのだと思った。王求本人にはほとんど落度はないのだが、そのように歪められる運命を負っているとしか思えない。
ただ、暗いまま終わる話ではなくて、希望のあるラストは何度でも挑戦する、という意味なのかもしれない。
あるキング (徳間文庫)あるキング (徳間文庫)
(2012/08/03)
伊坂 幸太郎

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「ディーセント・ワーク・ガーディアン」沢村凛
「黄金の王 白銀の王」の単行本を持っているので、沢村さんといえば大人向けのファンタジーを書く方だなあと思っていたのですが、現代ミステリっぽいのもちょこちょこ書いてるみたいです。
本作は、労働基準監督署に所属する主人公の調査を軸としたシリーズ短編。主人公には刑事の友人がいて、事件なのか事故なのか、という案件を扱うことが多いミステリ風の作品です。読みやすくまとまっていて面白い。若干最終話の流れが唐突ではあるけど。
池井戸さんの銀行物・今野敏さんの警察物のような組織物が私は好きなのですが、県庁の星やトッカンのような公務員物も大好きです。組織で動く話が好きというより、組織に属している人間が正しいルールに則って動く・不正を暴くような話が好きなんだろうなと思います。
ディーセント・ワーク・ガーディアンディーセント・ワーク・ガーディアン
(2012/01/18)
沢村 凜

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「魔法無用のマジカルミッション」シャンナ・スウェンドソン
(株)魔法製作所シリーズ、まさかの第二シーズンスタート。本国では出ないのに、日本で書き下ろし発売するってすごい。
今回は、いまの仕事は自分に合ってるのかというケイティの悩みと、他者を支配する危険な魔法の指輪を追う話。相変わらずのおばあちゃんが良いキャラしてる。
この作品、海外物にしてはヒロインが素朴で地味、ヒーローとの関係も亀の歩みでホットな展開にはならない、というところが珍しいし好きです。特に、ヒロインが頭の回転が速いところがいい。魔法使いの中で、非魔法使いのヒロインが違う視点で考えを述べるという構図なので、不自然さもなくていいです。
魔法無用のマジカルミッション (㈱魔法製作所) (創元推理文庫)魔法無用のマジカルミッション (㈱魔法製作所) (創元推理文庫)
(2012/09/11)
シャンナ・スウェンドソン

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以下ラノベ
「光炎のウィザード はじまりは威風堂々」喜多みどり
四巻(想いは未来永劫)まで読みました。ここでいったん一区切り付いています。
アカデミーに所属する見習い魔術師のリティーヤは、失われた昼魔術、それを狙う女魔術師と教官ヤムセとの因縁に巻き込まれてしまうことになる。
ヒロインとヒーローのペアが良いです。ボケボケ問題児の主人公と無口な甘党ボケ教官とのボケコンビ。またこの二人の専門が生物(珍獣)調査なので、二人揃って研究者ボケ的な感じが周りとの温度差と相まっておかしい。
光炎のウィザード はじまりは威風堂々 (角川ビーンズ文庫)光炎のウィザード はじまりは威風堂々 (角川ビーンズ文庫)
(2006/06/30)
喜多 みどり

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「黒鋼の魔紋修復士 1~3」嬉野秋彦
うっかり表紙買いしてしまいました。少年向けラノベですが、ヒロイン視点メインなので女性にも読みやすいかと思います。ヒロインがわがままお嬢様っぽい感じがあるので、そこは好き嫌い別れるかも。ヒロインの話し方にもかなり癖があるので、そこも駄目な人はいるかもしれない。
十二人しかいない貴重な巫女《神巫》に任命された少女ヴァレリア。身体に直接刻まれた魔紋によって魔法が使える神巫は、それに損傷を受けた場合肌に触れて修復できる紋章官を必要とする。よりによってヴァレリアに就けられた紋章官は男、少年ディミタールだった。
ヒロインはわがまま少女ですが、不遜なディミタールに毎回やり込められるので、ヒーローがツンデレヒロインに良いように振り回されるという系統ではないです。いろんな設定や他国の情勢・政治等を書くのが好きな作者さんみたいなので、いろいろ細かい設定好きな人にいいかも。
黒鋼の魔紋修復士1 (ファミ通文庫)黒鋼の魔紋修復士1 (ファミ通文庫)
(2012/03/30)
嬉野秋彦

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「BLACK BLOOD BROTHERS 8~11」(完結)あざの耕平
怒涛の第三部。ヒロインの成長っぷりがすごくて、ほとんどメイン主人公ぐらいになってます。添えものとしてのヒロインでもセカイ系にあるようなキーとしてのヒロインでもなくて、どんどん成長して独立して自分の道を切り開いていく男前なヒロイン。他にも、退場していったキャラも最後まで影響力があって存在感があるのが良かった。
ヒーローも成長というか完全覚醒ですが、その間ヒロインと離れ離れでようやく再開するという展開が熱い。一巻からずっとバッドエンドを暗示させている物語ではありましたが、ラストはこう来るか~という感じでした。
面白かったです。
BLACK BLOOD BROTHERS11  ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 賢者転生― (富士見ファンタジア文庫)BLACK BLOOD BROTHERS11 ―ブラック・ブラッド・ブラザーズ 賢者転生― (富士見ファンタジア文庫)
(2009/05/20)
あざの 耕平

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「東京レイヴンズ 8」あざの耕平
今回はそんなにストーリー動きませんでしたが、キーとなる巻で面白かったです。最近の展開から予想はしてましたが、まさかの真実が明かされる巻でもあります。しかし両親がかっこいい。
すごいところで次巻に続く!なんですがもうほんと気になる… 実はまだ第一部なんだそうです。あとどんだけあるんだ!
東京レイヴンズ8  over-cry (富士見ファンタジア文庫)東京レイヴンズ8 over-cry (富士見ファンタジア文庫)
(2012/10/20)
あざの 耕平

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「騙王」秋目人
ローデン国の第二王子のフィッツラルドは、脳無しの第一王子に疎まれ刺客を送られながら、高利貸しと化かし合いをして金を工面し戦果を挙げる。何の後ろ盾もない王子が、甘言と駆け引きでのし上がっていく物語。わりと淡々としてます。
明るいキャラクタ小説ではなく、あるのは騙し合いすかし合いの心理合戦で、主人公も清廉ではなく手を汚すタイプ。ちょっとダークな駆け引き物が好きという人には楽しめると思います。襲い来る危機をどう切り抜けるのかが面白かった。
騙王 (メディアワークス文庫)騙王 (メディアワークス文庫)
(2011/07/23)
秋目 人

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以下まんが
「マギ 14」大高忍
アラジンたちがそれぞれ修行や目的のためにしばらく別れ別れになる、新展開です。ファンタジーの学園物って好きなので、アラジンの魔法学院編がすごく面白い。
マギ 14 (少年サンデーコミックス)マギ 14 (少年サンデーコミックス)
(2012/09/18)
大高 忍

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「犬神姫にくちづけ 1」宮田紘次
かずらが配属されたのは特殊汚染処理課、またの名を除霊・退魔専門班。霊を憑依させることのできるかずらは、犬神使いの犬養課長に犬神を降ろしてもらわなければ闘うことが出来ない。しかしそのためには課長とキスをする必要があって…という設定。
陰陽師系好きなので面白いです。体当たりで泣き虫なかずらも可愛いんですが、課長が良いキャラすぎる。鬼畜っぷりと紳士っぷりが絶妙のバランスを保っています。
微エロなので苦手な人はご注意。
犬神姫にくちづけ 1巻 (ビームコミックス)犬神姫にくちづけ 1巻 (ビームコミックス)
(2012/09/15)
宮田紘次

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「竜のかわいい七つの子」九井諒子
人外が関係する話の短編集。一編目の「竜の小塔」はどシリアスファンタジーですが、他はちょっとコミカルさもあるような話が多いです。以前の短編にあった羽根の生えた娘さんの進路問題、みたいな独特の久井節は健在。
実体化する絵を描く絵師の「金なし白祿」の雰囲気がすごく好きなんですが、特に終わり方がきゅんとします。あと超能力一家の家に探偵小僧がやってくる「犬谷家の人々」は、体当たりギャグすぎて吹いた。
九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子 (ビームコミックス)九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子 (ビームコミックス)
(2012/10/15)
九井諒子

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「ちはやふる 9~18」末次由紀
いままでも面白かったけど、より面白い…!と思うのは、このあたりからアニメ未登場(第一期)の回になるからかと思います(初見のエピソードなので)。後輩が出来てから机くんがまじ素敵な先輩すぎる。15巻ぐらいから新の存在が色濃くなってきて(実際試合シーンも入るので)すごいきゅんきゅんしました。試合中あんなにドSクールなのに、照れ屋のピュアキャラってたまらん。千早と新は、おまえら織姫と彦星か!と言いたくなるほど逢瀬に恵まれないので、たまのシーンがほんとたまらん。17巻は新の巻すぎる。詩暢ちゃんもたまらんキャラだと思います。あと18巻の先生(女帝)のセリフに泣いた。
ちはやふるの中ではすべてのことが繋がってる、続いてるんだなあと思って感慨深いです。三人で過ごした日々も、アパートの部屋で新ととったかるたも、新がじいちゃんに習ったかるたも、かささぎみたいな電話も、全部いまに繋がってるんだなあと。それと千早がすごい天性の才能持ってて強い選手なのに、あとからあとからもっとすごい選手(しかもみんなタイプが違う)が出てくるのが面白い。
ちはやふる(17) (BE LOVE KC)ちはやふる(17) (BE LOVE KC)
(2012/06/13)
末次 由紀

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